スポーツジムのエアコン兼空気清浄機の中に盗撮器・盗聴器を発見した体験談です。
この体験談を提供してくれたのは、石川県金沢市在住、32歳、そのスポーツジムで働いているインストラクターの女性です。
設置されていた部屋は、女子更衣室や女子トイレなどではなく、インストラクターが利用する休憩室だったとのことです。
つまり、お客さんが盗聴器・盗撮器を設置したのではありません。
敵は身内にいました。
その一部始終をご覧ください。
スポーツジムのエアコン兼空気清浄機の中に盗撮器・盗聴器を発見
大学卒業後、地元のスポーツジムに就職
私は大学卒業後、地元のスポーツジムに就職しました。
昔から運動が好きだったのと、大学で習った栄養学が活かせる職場はここかな、と思って働き始めました。
はじめの2年間はスポーツジムのトレーナーをやっていました。
トレーニングジムに置いてあるマシンの使い方を教えたり、プールの監視員をしたり、受付、掃除をするのが主な仕事です。
この仕事は運動というよりも、お客様とのコミュニケーションが第一のような気がします。
実地でもってそれは充分、分かっているのですが、接客に関しては上司から度々チェックが入ります。
私の働いているスポーツジムの経営は地元でも有名な病院で、そこの病院の役員を交えたミーティングも最低でも週一回開かれ、接客、清潔面をメインに注意が徹底されています。
トレーナーをやりながら、私はヨガやピラティスの資格を取り、インストラクターとしても活躍できるようになり、昇進していきました。
昇進すればどこの企業でも同じだと思うのですが、ミーティング、会議に出席する機会が増えます。
病院の役員とのミーティングで違和感を覚える
ジムでの仕事もあるのに、と思いつつ出る事も多いのですが、出席していくうちに、ある違和感を感じ始めました。
特に病院の役員とのミーティングの際にその違和感は強まります。
何かといいますと、知らないはずの情報を知っていることが多いのです。
ジムのメンバー内だけでしか話してないはずの内容を知っていることがあまりにも多く、そのミーティング、会議に出る度に、薄気味悪さを感じるようになりました。
ジムの仕事をやっていると、どうしても問題になるお客さんというのが何人かは出てきます。
スタッフと話すのが好きで、1時間以上もトレーナーの業務を足止めしてしまうお客さん。
トレーナーのファンになって、いつも担当曜日には来て、酷いケースでは退社時間に待ち伏せして家を突き止められた子もいました。
こういう困ったお客様に対してはジム内で内々に解決しよう、ということになっていたのですが、ミーティングで特にこの点を突かれます。
警察に相談したほうがいいんじゃないか、とか、入会の際の約款にしたがえば、退会処分にできるなどの処置方法を提案してきます。
最初は病院の役員の誰かとジムのトレーナーが付き合っていて、そこから情報が漏れているのかなぁ、と思っていました。
情報漏れに気味の悪さを感じつつも、それが一番腑に落ちるストーリーだったので、そう確信していました。
ところが、情報漏れのソースはとても意外な形で発覚しました。
今から6年前の事件です。
エアコン兼空気清浄機の中に盗撮器・盗聴器を発見
私達のスポーツジムも他の企業と同様、年末年始は休みで、毎年、営業最終日翌日に館内の大掃除を業者を交えて行うのが恒例になっています。
その年もいつもの年と同じように掃除をしていました。
日が傾きかけたころでしょうか、私達が昼食やオヤツの時間、休憩時間などに使っている休憩部屋を掃除していた後輩の女子トレーナーが慌てて私のもとにやってきました。
ちょっと来てください、と言われ、休憩部屋に行きました。
休憩部屋には床から天井まである大きなエアコン兼空気清浄機が設置されているのですが、後輩が掃除中にそれにぶつかり、前面のパネルが開いて中ほど中段に小型カメラ、マイクが設置してありました。
これにはさすがにゾッとして、悲鳴をあげそうになりました。
それこそ、これは警察に言ったほうがいいんじゃないか、とまで思いました。
これで全ての話の筋は通りました。
とりあえず、その場は見なかったことにして、カメラに映らないように扉を元に戻し、年明けに居酒屋でトレーナー全員で集まることにしました。
ことの次第を打ち明けたところ、皆一様にショックを受けていました。
警察、裁判沙汰などの声も上がりましたが、私達の会社が傾く恐れ、何よりもお客様に迷惑を掛けてしまうと思い、内々に処理することにしました。
病院の役員に盗聴、盗撮の事実を突きつける
私とトレーナーのトップの男性で次の役員とのミーティングの際、この盗聴、盗撮の事実を突きつけることにしました。
ミーティング開始時間ギリギリでこれらの汚らわしい機器を外し、ミーティングの場に付きだしました。
案の定、病院の役員達は血相を変え、しばらく黙りこみつつ、目配せをし合っていました。
顔が青くなるという例えがありますが、本当に青く見えました。
最初のうちは知らないとシラをきっていたのですが、病院の医院長に話を持っていく、と言ったとたん、素直に自分達の仕業であることを認めました。
ジムのサービス向上のために普段からの皆の意見を知るために置いた、と訳の分からないことを言っていたのですが、この事件以降、ミーティング、会議の際、力関係は私達の方が上になりました。
意見も通しやすく、有休の取得など、いろいろとやりやすくなりました。
気味は悪いですが、弱みを握ることで場をコントロールする術を学びました。
管理人の解説
エアコンや空気清浄機は、盗聴器・盗撮器が設置される可能性がある場所です。
またエアコンや空気清浄機本体ではなく、リモコンに設置されているケースもあります。
今回のケースでは、スポーツジムの休憩室に置いてあるエアコン兼空気清浄機に盗聴器・盗撮器が設置されていました。
設置したのは、スポーツジムを経営している病院とのことでした。
この場合、『モニタリングの目的、即ちすなわち取得する個人情報の利用目的をあらかじめ特定し、社内規程に定めるとともに、従業者に明示すること』という経済省のガイドラインを守っていないため、たとえスポーツジムの運営者だとしても問題行為と言えそうです。
プライバシー権の侵害として認められるかは、裁判で争ってみないとわかりませんが、不法行為による損害賠償義務が発生してもおかしくない事例です。
今回の盗聴器・盗撮器の設置はスポーツジムでしたが、これは会社、オフィスにおいてもある事例です。
社員の行動を監視するため、盗聴器・盗撮器を設置しているケースがあります。
この場合、会社、オフィスのどこに設置されているのかが問題です。
プライバシーが保護されるべき更衣室やトイレであれば問題ですし、そうでない場所であれば不法行為とまでは言えないでしょう。
いずれにしても、その施設の責任者で、盗聴器・盗撮器発見調査を依頼できる立場にあるのであれば、するべきです。
さもなければ従業員や顧客との信頼関係を失ってしまう危険性があります。
その場合、プロに任せて、不安を一掃させるのがオススメです。
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