20年以上前、ポケットベルから夫の浮気調査をし、離婚した体験談です。
この体験談を提供してくれたのは、香川県高松市在住、52歳の女性です。
夫は当時、電力会社に勤務していたようです。
20年以上前から、浮気というのは全く変わっていないようです。
ただ浮気相手との連絡手段は変わり、ポケットベルがPHSに、PHSが携帯電話に、携帯電話がスマートフォンになりました。
この先、スマートフォンが何に変わるかはわかりませんが、浮気はいつまでもなくならいのでしょう。
20年以上前、ポケットベルから夫の浮気調査をし、離婚
20年以上前、子供がおらず不妊治療をする
もう今から20年以上前の話です。
結婚して5年目になりましたが、私たち夫婦には子供がいませんでした。
二人で話し合い、不妊治療をする事になりました。
共働きだったので、私は仕事帰りに病院へ直行→帰宅という日々が続きました。
毎日ではありませんでしたが、月に半分ほどは病院へ行かなければならず、帰宅も遅くなっていきました。
ストレスもあり、次第に夫との仲はギスギスしたものになっていきました。
夫の帰りが遅くなり、無断外泊するようになる
気が付くと、夫の帰りも遅くなっていました。
それまで月に1回ほどの飲み会が週に1回になり、2,3日に1回になりました。
しかし、日付が変わる前には必ず帰宅しており、排卵日には子作りに協力をしてくれていたので、まだこの段階では夫を疑ってはいませんでした。
というより、子供ができないという事で私の頭はいっぱいだったのです。
そうした中で、とうとう夫は無断外泊するようになりました。
ようやく、私は何かがおかしいということに気が付きました。
夫を問い詰めるのも否定
何事も直球型の私は、すぐさま夫を問い詰めました。
夫は当然、否定します。
何よりも証拠がありません。
自分の勘に確信を持っていた私は、その日から証拠探しに躍起になりました。
夫のポケットベルの浮気調査をする
当時はスマホがなく、携帯電話も普及前で、連絡手段はポケットベルが主流でした。
夫は注意深く、ポケットベルは会社に置いて帰って来ていました。
しかたなく私がまずした事は、夫の手帳にある連絡先をコピーし、ひとりひとりをチェックする事でした。
会社の名簿録や年賀状等と照らし合わせ、疑わしい名前をリストアップし、最終的には4名程の名前が残りました。
いずれもわかるのは電話番号のみでした。
ただ、当時は電話番号である程度までは住所が特定できていたので、結果的にはこのリストが後でおおいに役立ちました。
これらの準備を整えたうえで、私はある機会を待っていました。
その日はチャンス到来で、夫が珍しく早く帰宅し、就寝しました。
それを確認すると、私は夫の鞄から鍵を取り出し、それを持って夜中にそっと家を抜け出しました。
そして、まっすぐ夫の会社へと向かいました。
小さな会社だったので、実は鍵は夫が管理を任されていたのです。
もうお分かりかと思いますが、私はその鍵を使って夫の会社に忍び込み、真っ暗闇の中を懐中電灯を頼りに夫のデスクを探りました。
あの時の緊張感や恐怖は今でも忘れられません。
ようやくポケットベルらしきものを見つけた時は、安堵感と、夫の浮気が動かぬ事実となってしまうかもしれない失望、とで涙があふれてきました。
肝心のポケットベルのメッセージは想像通りのものでした。
「また会いたい」「ゆうべは大丈夫?奥さんにばれなかった?」「今日はいっぱいキスしたい。」・・・。
人間て、大きなショックを受けたとき、漫画みたいに本当に頭の中が「ガンガン」と脈打つんだ、とこの時はじめて知りました。
だけど、どこか冷静な自分もいて、私はそのメッセージの全てを写真に撮り、メッセージから推測できる相手のプロフィールを分析していました。
まず、独身でひとり暮らし、夜の仕事をしている事、猫を飼っている事・・・。
なにより、ポケットベルの履歴から、私がリストアップしてあったうちの一人と電話番号が一致しました。(男名にしてありましたが)
ここまできたら、あとは現場を押さえるだけでした。
夫を尾行し、浮気相手のマンションを突き止める
すっかりのぼせ上がっている夫は、私に疑われていると知りながら相手の女と会う間隔を空けなかったので、チャンスは次の日にきました。
その日の夕方、会社を早々に退社し、夫を尾行しました。
夜の仕事をしているのであれば、二人が会う時間帯は夕方か夜中だと踏んだ私の予想は大当たりしました。
夫は隠れる様子もなく、自分の車をとある駐車場に止め、そこから歩いて女のマンションへ向かいました。
幸い通りからはよく見える位置にあり、その日は女の部屋番号と名前を確認して帰りました。
あのポケベルの相手かどうか、もう少し様子を観る必要があったからです。
今すぐにでも部屋に踏み込みたい気持ちをぐっとおさえ、しばらく尾行だけを続け、確信に変わったところでそれを決行しました。
双方の両親に同行してもらい、女のマンションに突撃する
その時までに私は双方の両親に全てを説明し、同行してもらうことにしました。
まず夫の父がチャイムを鳴らし、女が出てきました。
メイクは濃かったですが、夫よりも10歳は年上に見えました。
それよりも玄関に夫の靴が無造作に置かれているのを見つけ、私は2度ショックを受けました。
その時、夫は下半身裸のままでコタツの中に隠れていました。
もう言い訳がたたないと悟った夫は、速攻、土下座してきました。
義父が夫を殴り、父が止めにはいりました。
その間、義母と母が女にむかってなにやら罵倒しています。
女は押し黙ってうつむいています。
私はぼんやりと部外者のようにその場を見ているだけでした。
不思議なことに、このときの会話は一切覚えていません。
夫に離婚届を書かせ、別れる
おのおのが落ち着いた頃、私は用意していた離婚届けを主人に強制的に書かせました。
夫はもちろん、周囲も反対しましたが、私は次の日にそれを市役所に提出しました。
夫は何度も電話で復縁を迫ってきましたが、私はもう2度と彼と会うことはありませんでした。
管理人の解説
この体験談のポケットベルをスマートフォンに置き換えれば、現代の話といってもわかりません。
人間の行動というのは、20年以上経っても、ほとんど変わらないのは興味深いです。
浮気の兆候も、帰るのが遅くなり、無断外泊をするようになり、問い詰めても認めないのは今とまったく同じです。
ポケットベルを知らない方のために、一応説明しておきますと、携帯電話、PHSの前に連絡手段として使われていた通信端末のことです。
ポケベルのように略されて呼ばれていました。
携帯電話のメールのようなものですが、送信機能はなく、受信だけです。
ですので、今のスマートフォンと比較すると、かなり不便な通信端末でした。
その分、スマートフォンと比較すると、浮気の証拠を掴むのは苦労しました。
今のスマホであれば、GPS機能が付いていますので居場所がわかりますし、写真、動画、SNS、クラウドサービスなど、あらゆる場所に浮気の証拠が残っている可能性が高いです。
ですので、探す側としては現代の方がいいとも言えます。
ただ、これも良し悪しで、スマートフォンに精通している人であれば、容易に浮気の証拠を隠すことも可能です。
とても複雑化しており、情報弱者が痛い目に遭う時代とも言えます。