面取りの意味
面取りをなぜするのかと言えば、探偵は対象者に直接の面識がないからです。
誰を調査するべきなのか、ここからスタートします。
これがもし知り合いであれば、当然、面取りの必要はありません。
すぐに、この人だとわかるからです。
面取りのために、依頼者が探偵に伝える情報
顔写真
まずは、顔写真がないと面取りは始まりません。
それも、色々な角度からの顔写真を準備するといいでしょう。
正面、横顔、うしろ姿などです。
また、顔写真だけでなく、体全体を確認できる写真もあったほうがいいでしょう。
身長・体重・体格
写真を見せるだけでなく、身長・体重・体格などの情報も伝えておきましょう。
なぜなら、写真で比較対象がなかった場合、面取りで実際の大きさがわかりづらいからです。
ですが、身長・体重・体格などの情報を伝えれば、だいたいの大きさはイメージできます。
なるべく、最新の情報を伝えることができれば、調査がスムーズに進みます。
服装・ネクタイ・鞄などの種類や色
服装で人の雰囲気はガラリと変わります。
ですので、調査当時に身に着けて行く服装を伝えることは大切です。
それに、ネクタイや鞄なども面取りにおいて、重要な目印です。
できれば、ネクタイや鞄の写真も撮影して探偵事務所に持参したほうがいいでしょう。
面取りが難しい理由
写真との違い
面取りの難しい点として、写真との違いがあります。
探偵事務所に依頼者が持ち込む写真が記念写真だった場合、修正され、ホクロやシミ、皺などが消えていたりします。
もしくは、写真が何年も前だったり、対象者が女性であれば化粧などが違ったりして、実際とはまったく違うということがあります。
そういう場合、面取りの難易度は非常に高いです。
似たような人がぞろぞろと出てくる
似たような人が、ぞろぞろ出てくるパターンがあります。
例えば、大企業に勤めている男性の行動調査です。
皆、同じようスーツ、髪型、靴、鞄で、終業時間にぞろぞと出てきたら、誰が対象者なのか見極めるのは困難です。
知り合いであっても、見逃すかもしれないのに、まったく知らない人物を特定し、確認しなければならないのですから、面取りの難しさがわかると思います。
マスク、マフラー、サングラスなどで顔が見えない
冬には、マスクやマフラー、夏には、サングラスをする人がいます。
そうすると、顔が半分隠れてしますので、面取りが難しいのは容易に想像がつくと思います。
よくマスクをしたら美男美女だけど、外したらそうでもないと言われる人がいます。
これは、特徴となる顔のパーツが隠れていることで起きます。
もしも対象者が、その特徴となるパーツが見えない状態で建物から出てきたら、面取りはさらに困難を極めます。
ですので、予めマスク、マフラー、サングラスなどをする可能性があるのか、探偵事務所に伝えておいたほうがいいでしょう。
ベテラン探偵のすごさ
このように、面取りは非常に難しいことがわかったと思います。
半々の確率でいいのであれば、そこまで難しくはないかもしれないのですが、探偵に失敗は許されません。
ほぼ、100%の確率で面取りに成功させなければならないプレッシャーは計り知れません。
ベテラン探偵は、そのようなプレッシャーのなか、次々に面取りを成功させます。
一度、写真で見た顔はまず忘れないですし、ホクロの位置や耳の形で対象者を判別できる探偵もいます。
そこまでの特殊能力を全員が持っていないとしても、ベテラン探偵は経験で対象者を瞬時に見分けます。
もちろん、その確認も怠りません。
対象者と距離を縮めて、面取りを行います。
そのためには、複数の探偵が協力する必要があります。
具体的に言えば、面取りと張り込みに分かれるのです。
なぜなら、もし対象者だと思った人物がまったく異なる人だった場合、面取りの間に見失ってしまう可能性があるからです。
そのようなコンビネーションも必要なのです。