2017年に発表された、厚生労働省の『我が国の人口動態』を参考に、世界の離婚率ランキングを作成しました。
我が国の人口動態には、1947~2015年までの選ばれた国の離婚率の推移が掲載されていました。
その選ばれた国とは、アメリカ、ロシア、ドイツ、イギリス、イタリア、スウェーデン、オランダ、フランス、日本、シンガポール、韓国です。
一体、どこの国で離婚率が高く、どこの国が低いのでしょうか?
※それぞれの国の最新の統計から離婚率をランキング付けしていますので、必ずしも同年代の離婚率を比較している訳ではないことにご注意ください。
世界の離婚率ランキング
地域名 | 離婚率(人口千対) |
ロシア | 4.50 |
アメリカ合衆国 | 2.81 |
スウェーデン | 2.70 |
4位 韓国 | 2.14 |
5位 オランダ | 2.10 |
6位 イギリス | 2.05 |
6位 ドイツ | 2.05 |
8位 フランス | 1.91 |
9位 シンガポール | 1.82 |
10位 日本 | 1.81 |
11位 イタリア | 0.86 |
出典:厚生労働省 平成29年(2017年)我が国の人口動態から、それぞれ国の最新の離婚率を比較
上記が2017年に発表された、世界の離婚率ランキングです。
こうしてみると、日本の離婚率は諸外国と比較すると、低い方だということがわかります。
1位はロシアで、2位はアメリカ、3位にはスウェーデンがランクインしました。
最も離婚率が低くかったのはイタリアで、情熱的で浮気性な男性が多いイメージがあったので、この結果は意外でした。
ちなみに、この離婚率は普通離婚率と呼ばれるもので、以下の計算式で求められています。
離婚率= | 年間離婚届出件数 | ×1,000 |
―――――――――――― | ||
人口 |
これは世界で使われる離婚率の種類で、よくメディアで言われる「日本では3組に1組が離婚する」というのは、特殊離婚率が使われています。
ちなみに、特殊離婚率は以下の計算式で求められます。
離婚率= | 年間離婚届出件数 | ×100 |
―――――――――――― | ||
年間の婚姻件数 |
この計算式とは異なることをご了承ください。
それでは、それぞれの国についてもう少し詳しく見ていくことにしましょう。
ロシア
ロシアの離婚率は、1955年のソビエト連邦時代は低かったのですが、1960年半ばから急速に上がっています。
どこの国々も上がり続けてはいるのですが、現在まで断続的に離婚率が上がり続けている国の一つです。
その原因の一つに、社会主義制度があります。
社会主義制度では、男女平等の世界ですので、男女に経済的な違いがありませんでした。
そのため、女性がいつでも自立でき、夫の給料に頼る必要性がなかったのです。
またロシア人男性はウォッカが大好きで、アルコール中毒になって働かず、DVも多いということで、結婚したのはいいものの離婚したくなる女性が多いとのことです。
アメリカ合衆国
アメリカは2位とはいえ、1970年代の半ばには5パーミルあった離婚率はそこから徐々に下がっていき、最近の統計では2パーミル代まで来ました。
※パーミルとは千分率の単位
1970年代半ばにぐんぐんとアメリカの離婚率が上昇した時期があるのですが、これはどうやら離婚法の改正があり、離婚することが簡単になったからだと言われています。
今まで離婚したくてもできなかった夫婦が、ここぞとばかりに離婚していき、ついには5パーミルを超えたものと思われます。
そこからは徐々に落ち着きを取り戻し、2位とは言え、諸外国と同じぐらいの率になっています。
スウェーデン
スウェーデンには、サムボ法という結婚していない同棲したカップルを保護する法律があります。
つまり、事実婚を法律が認めているということです。
家事の分担はもちろん、子育て、家計の支出の分担までします。
ただし、当然、法律婚も存在しており、サムボ(同棲)を経て結婚するカップルも数多くいます。
両者の違いは、サムボでは財産を自己管理することや、債務に対しても自己責任があることです。
当然、別れる時もサムボでは財産分与はありません。
※ただし、家財は別です。
【参考】内閣府経済社会総合研究所編『スウェーデン家庭生活調査』
上の離婚率には、このサムボカップルが別れた人数は含まれていません。
ですので、他の諸外国とは事情が異なることを考慮すべきです。
つまり、サムボを法律婚に加えるのであれば、離婚率はさらに高くなるということです。
それでは、なぜスウェーデンの離婚率が高いのかという理由ですが、女性の社会進出が進んでおり、経済的に離婚しても困らないからです。
11位 イタリア
イタリアは、男性の浮気で簡単に離婚しそうなイメージですが、事実は異なります。
まずイタリアはカトリックの国ということもあり、そもそも離婚制度自体が1970年まではありませんでした。
その後、離婚制度はできたのですが、手続きが非常に面倒で時間もお金も掛かるのです。
ですので、ずっと離婚率は低いままでした。
しかしながら、2015年に法改正があり、今まで離婚するのに別居期間が3年必要だったのですが、それが1年間になり、協議離婚であれば最短で半年で離婚できるようになりました。
上のイタリアの離婚率は、2015年の数字ですので、もしかすると今後イタリアの離婚率が急激に上がるということもあるかもしれません。
まとめ
世界の離婚率の結果を見て、いかがだったでしょうか?
日本では離婚率が上昇しているとよく言われますが、それは世界も同じで、日本はまだ低い方だと言えます。
ただし、今後はどうなるかわかりません。
女性の社会進出が進み、経済的に自立できる女性が増えるにしたがって、離婚率が高くなることが予想されます。
それは良し悪しではなく、ロシアやスウェーデンの統計を見れば明らかなことです。
女性としては、そのような時代に早くなってほしいと思う人もいる一方、離婚率が増えるのはよくないと考える人もいるでしょう。
どのような時代になるにせよ、結婚や離婚の在り方を法律から見直す時期が迫っている気がします。